■インタビュアー 中北先生が美容形成外科を始めたきっかけを教えてください。
■中北先生 もともと形成外科医には、様々な専門の中で美容というものが究極のものだというのがあるんです。
僕自身はずっと形成外科をやっていて、専門としては先天異常、特に顔面異常をやっていました。技術的な難しさは先天異常の方が高いですけれど、技術的なものを超えた、形成外科医が目指す究極の目標が美容なんです。そこまでやることが形成外科医の憧れということもあるんですけど、患者さんとの接し方などの難しさで大体の人は諦めてしまうんですね。
僕自身は、初めから「最後は美容」ということを心に決めていました。性格上どうしても、一度やり始めたことはとことん極めてみたいと思うもので。だから大学で様々な分野の知識や技術を勉強しながら、形成外科医の最終目標である美容にいつか足を踏み入れようとずっと考えていたんですね。
そう考えるなら、きっかけというものは特にありません。あえて言うとすれば、それは僕が形成外科という分野に足を踏み入れた瞬間からでした。
■インタビュアー 初めて診察に来た患者様には、何を気にかけていますか?
■中北先生 とにかく、患者様が喋りやすい環境を作ってあげること。
喋りやすい環境とは人それぞれだから、まずはしばらく話してみて相手の喋りやすいスタンスを探します。こちらから積極的に質問をした方が良いのか、患者さんの相談を頭の中で整理しながら黙って聞いていたほうが良いのか。
ただ一つだけいつも気をつけていることは、初めから積極的に患者様への手術の提案をしないということです。あまりこちらから余計なことを言うと、患者様の負担になってしまうこともあります。
だから
基本的にはまず、待ちの姿勢。患者様の話をじっくり聞いて、それからこちらの意見を述べる。そのことだけは、いつも気にかけていますね。
■インタビュアー 中北先生の、美容外科手術に対する考え方を教えてください(理念・信条)
■中北先生 こういう言い方は語弊があると思いますが、とにかく安っぽい手術はしたくありません。
安っぽい手術とは、一部の営利主義のクリニックがやるような金額は立派なものを取るけれど、やっていることは本当にお粗末というやり方。手間をかけずに、いかに利益を上げるかみたいな手術。そういうものは、
外科手術に携わる者のプライドとして絶対にやりたくないです。
技術者として、形成外科医として積み上げてきた自分の持っている技術や経験を全部出し切れるような手術をしたい。手間も時間もかかるかも知れないけれど、そのような手術が美容形成外科医としての僕の理想です。

その一つとして、僕の信念としては出来るだけ人工物を使わない、というのがあります。人工物が絶対に悪いとは言いませんが、例えば一般的には鼻を高くするというとプロテーゼ(人工物)を入れて終わりですけど、僕は出来るだけ
自家組織移植を提案します。『患者様が、他の場所に少しでも傷をつけたくないなどの理由からあえて人工物を選ぶ』場合を除いて、組織移植の方が鼻先も自然に仕上がりますし、自分の組織を使っている訳だから安全性も高いわけですからね。

患者様に提案できる選択肢の数の多さが、形成外科医としての力量を測る一つの目安になると思います。手軽な手術方法から高度な技術を要する手術方法までを提案して、その中から最終的には患者様に自分が望む一番の手術を選んでもらうというやり方が形成外科医としてもっともあるべき姿であり、僕が理想としている手術の進め方です。
■インタビュアー 人の一生を左右する美容形成外科手術というものに携わるに当たって、常に気にかけていることはありますか?
■中北先生 これは本当に、たった一言で済んでしまうことなんです。どれだけ自分が満足できても、患者様が「やらなければ良かった」と思ったら最悪。やって良かったと思えることをやる。その一言に尽きます。
■インタビュアー 初めて美容外科を訪れる人に、何かアドバイスはありますか?
■中北先生 美容形成外科に来られた時点で、既に「自分の何かを変えたい」という積極性は持っておられると思います。ただ、何をどれくらい変えたいというイメージは持ってから来られた方が良いでしょう。眼を少し大きくしたいだとか具体的なものはもちろんですが、例えば顔の印象を今よりこれくらい明るくしたいといったような、抽象的なものでも良いですから。

ただし、
あまり焦り過ぎるというのも禁物です。「今すぐ変えたい」「全てを変えたい」という思いにとらわれて先を急ぐ人は、客観的に自分のことを見られていない状態の人が多い。自分の一生に関わることだから、じっくりと考えて、自分自身で納得してからやらなければいけないと僕は思います。
■インタビュアー 先生はやらないほうが良いと思っている手術を、患者様が強く望んでいます。その様な時、中北先生ならどうされますか?
■中北先生 絶対にやらないとは言わないけど、できる限り一旦は帰っていただきます。
帰ってからよく考えて、それでもやはりそうしたいという患者様には二人でじっくり話をします。それで、「これならやっても大丈夫だ」という
解決点を見つけます。
ただどう考えても良い結果がイメージできない手術は、絶対にしません。それは患者様と僕自身、両方のためになりませんから。
■インタビュアー 美容形成外科をやっていて、良かったと思うことは?
■中北先生 単純に、良い結果が出た時。自分自身の自己満足的な喜びもありますが、やはり一番は患者様が本当に嬉しそうにしているのを見る時の喜び。それに尽きます。
治療の後で、患者様が鏡を見て嬉しそうに微笑む瞬間があるんです。それが技術者として、また一人の人間として、私にとって最大の喜びです。
■インタビュアー 先生の得意な施術は?
■中北先生 美容外科医として言うなら、私の場合は注入系の施術よりも実際の手術全般です。
特に得意なのは、
顔面の美容形成手術。やはり研修医の頃から取り組んできた外科的治療が、自分の中でも特に自信を持てる部分ですね。
■インタビュアー その施術に関して、先生が自信を持っていること。
■中北先生 自分の中で特にオリジナリティーを持っているのは、組織移植にこだわりながらも患者様の負担や犠牲を最小限とすること。これは本来とても高度な技術を必要とするものですが、私の場合は大学時代に携わった先天性異常の施術、治療経験が生きています。
先天性異常は生まれもって外見に異常がある方を正常に戻す、いわゆる病気の治療であり、美容形成は正常な人を対象とした自由診療ですが、外見の悩みを解決して生活の質を高めようとする点で、医療の目的は全く同じです。私は大学時代長いこと美容外科専門外来の主任をしていましたが、技術や患者様への接し方などでも、先天性異常を専門としていた時の経験が、今に大変生きていると感じることがあります。

そういう意味では、高度な医療技術を必要とする先天性異常の現場を土台として経験し、こうして美容の現場に長い間携われてきたことが、私にとって大きな自信の一つなのかも知れません。
■インタビュアー ズバリ、中北先生のここがすごい!
■中北先生 いきなり言われても(笑 
なんだろう・・・・。
あえて挙げると、人から言われるのは「これで良いや」ということが無いということです。施術に関しては、とにかく納得いくまで徹底的にやる。手術時間が大幅にオーバーしていても、連続の手術で疲れていても、自分が納得できるものが出来るまでは絶対にやめないというのはあると思います。
■インタビュアー 先生は大学時代、最高の手術時間で連続28時間、予約は三ヶ月から半年先まで埋まっていたという話を聞きましたが?
■中北先生 誰に聞いたの?(笑
まあでも、大学病院のような所でしかできない特殊な手術になると、時間がかかることはあります。予約に関しては一応それくらいですけど、大学病院はみんな忙しいので僕だけじゃないと思いますよ。
■インタビュアー 二重の手術で、気を付けたほうが良い事は何ですか?
■中北先生 手術をしたことが分かり易い場所なので、できるだけナチュラルに仕上げることが大切です。
他の病院で手術をした方がよく来られますが、
二重の手術は単純に幅を広くすれば良いというわけではありません。その人の顔に合った自然な二重をつくってくれるよう医師と相談し、またそれが可能なだけの力量を持った医師に見てもらうことが大切です。
■インタビュアー 鼻を高くする際に気をつけた方が良い事は何ですか?
■中北先生 東洋人の骨格から来る、全体の自然さを大切にすることです。むやみに鼻を高くすることだけを考えて、不自然にしてしまっては逆にマイナスとなることもあります。高くするには高くするで、その人の顔に合った自然な高さ、形状を作り上げる必要があるんです。
■インタビュアー 骨格修正で気をつけた方が良い事は何ですか?
■中北先生 骨格修正は、中途半端な技術しか持たない医師が絶対にやるべきではない手術。それは太い血管が近くを通っているので、一般の方が思っているよりも意外にリスクが大きく、最悪の場合命に関わるケースも出てくるからです。
だからきちんとした設備や、確かな技術を持った医師が居る病院で見てもらわなければいけません。
■インタビュアー 眼の上のたるみ取りの際に気をつける事は何か?
■中北先生 上眼瞼の場合、最も基本的な手術は眼の上のたるみを切り取るもの。けれども、一律にそれをやれば良いというものではありません。瞼の場合は本当にケースバイケースなので、例えば本当に瞼を開ける力が弱まっている眼瞼下垂という病気になってしまっている場合もあるし、直接瞼の上で皮膚を取るよりも、もっと全体で上へ引っ張り上げた方が自然な場合もあります。十分な施術、カウンセリング経験を持った医師と、直接話しをしながら自分の納得がいくまで説明を受けることが大切です。
■インタビュアー フェイスリフトで気をつけた方が良い事は何ですか?
■中北先生 気を付けなければいけないのは、フェイスリフトに関しては経験上患者様の期待が大きすぎる場合が多いということです。手術を受ければしわやたるみが全てが取れるというようなイメージを持っていると期待を裏切られることになります。

この手術でなければ得られない効果は勿論あるわけですが、限界や持続性、リスクなどについて、医師から十分な説明を受けるべきです。
■インタビュアー 良い医師を見分ける時のポイントは?
■中北先生 文字や媒体を通して判断するより、実際に診察を受けてみて、その医師の人柄を観察してみることです。見分けるポイント、というよりも、それ以外に無い。カウンセリングの進め方、説明、それに言葉の節々で、その人の人柄や経験は自然に浮かび上がってきます。
ただあえてポイントを上げるとすれば、
大してこちらの話も聞かずにさっさと手術を勧めてくるような医師は信用しない方が良い。今日すぐにやろうとか、こちらに考える暇を与えないような手を使ってくる悪質な医師がいることも、恥ずかしいことですが事実です。
■インタビュアー これから、自由が丘クリニックで行っていきたいことは?
■中北先生 もともと自由が丘クリニックはボトックスなどにおいても豊富な診療実績があるので、注入系のメニューには技術者として興味があります。
ボトックスはこれから腕を磨く段階だと自分では思っています。ボトックスといえば全国的にも古山先生は権威なので、それこそ色々教えてもらいたいですね。実験台は、君たちで。(笑