【Vol.17-01】目元のたるみを取る(上まぶた)    形成外科医 中北 信昭
     
 
老化とともに上まぶたの皮膚が垂れ下がってくると、元々はっきりしていた二重が奥二重や一重に見えるようになってきます。さらに進行して目にかぶさってくると、物が見づらくなってうっとおしさを感じる様になります。すると、目を見開こうとして無意識に額の筋肉を使って眉毛を持ち上げるようになるため、額のしわが増えていっそう老けた印象を与えることになります。
上まぶたのたるみを改善するには、垂れ下がった皮膚を処理する手術が必要ですが、これには上まぶたの皮膚を直接切除する方法と、眉毛の近くで切除してまぶたを上に持ち上げる方法があります。
上まぶたを切開し、垂れ下がった皮膚を直接切除して縫い合わせる方法です(図-1)。元々の二重が残っている場合には、縫合線(傷あと)が二重の線に一致するようにします。傷あとは非常に目立たなくなりますが、腫れが引くのには通常3〜4週間かかります。また、上まぶたは少しの腫れでも目立ちやすいため、完全に腫れが取れて自然な感じになるまでに人によっては2〜3ヵ月かかることもあります。抜糸は術後5〜7日目に行い、抜糸翌日からメイクが可能です。

 若い頃にははっきりしていた二重が浅くなっていたり消えてしまっている場合には、単に皮膚を切除するだけでなく二重を作る手術を同時に行うと、より若々しくなります。また、皮膚が垂れ下がっているだけでなく、目をあける力が弱ってしまっている場合(老人性眼瞼下垂、または腱膜性眼瞼下垂と呼ばれる)、まぶたを持ち上げる筋肉のゆるみを修復する手術を行うことをお勧めします。

 ところで、上まぶたの皮膚はまつ毛に近いほど薄く、眉毛に近くなるにしたがって厚くなっています。その途中でたるんでいる皮膚を切除することにより、縫い目(二重の線)のすぐ上が比較的厚みのある皮膚になるため、人によってはかえって腫れぼったい印象になることがあります。したがって場合によっては次に述べる眉毛下皮膚切除法を選択するか、2回に分けて両方を行うことをお勧めします。
 図ー1 
 a.術前  b.術中  c.術後
眉毛に近いところで皮膚を切除して縫合し、まぶたのたるんだ皮膚を上へ引き上げる方法です(図-2)。上まぶたには切開を加えないため、まぶた自体の腫れはほとんどなく、極めて自然な外観に仕上がるのが特徴です。また上まぶた本来の薄い皮膚を切除しないため、上眼瞼除皺術の項で述べた腫れぼったいまぶたになることがありません。たるみが引き上げられるので、少し若い頃のまぶたに戻るイメージです。しかし、眉毛の下であまり幅広く皮膚を切除することはできないので、たるみが強い場合にはやはり上まぶたで直接皮膚を切除する必要があります。眉毛下皮膚切除が適しているのは、上まぶたのたるみが軽く少し引き上げれば十分な場合、まぶたの皮膚切除では腫れが心配で、なじみを待つ時間的余裕がない場合などです。また、たるみが強い場合に上まぶたの皮膚切除に加えて本法を行うのも効果的です。
 この方法の欠点は、第一に眉毛の下に長い傷あとが残ることです。しかし通常は術後3〜6ヵ月たてば非常に目立たなくなります。はじめの3ヵ月位は傷が少し赤くなるのでやや目立ちますが、女性の場合は抜糸後からメイクできるのでそれ程人目が気になることはないでしょう。第二に眉毛の端を皮膚と共に一部切除するので、眉毛が短くなるのを避けたい方、特に男性では適用しにくいことがあげられます。
 図ー2 
 a.術中  b.術後  
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