【Vol.17-02】目頭切開・目尻切開
形成外科医 中北 信昭
→【Vol.17-01】目元のたるみを取る(上まぶた)
患者様の要望で多いものの一つに、「目を大きく見せたい」というのがあります。実際に目を大きくするには、横幅を広げる方法と縦方向に大きくする(自然に目を開けている時の開き具合を大きくする)方法があります。横幅を広げる手術が目頭切開と目尻切開です。
専門的には内眥(し)形成術または内眼角形成術と呼ばれます。東洋人では、モーコひだと呼ばれる皮膚のひだが目頭にかぶさっている人が多く、これが目の横幅を狭く見せたり、目と目が離れて見える原因になっています(
図-1
)。そこで蒙古ひだに切開を加えて目頭の位置を鼻側に広げることにより、目を大きく見せ、西洋人的なシャープな印象にすることができます。切開といっても切り離すだけではなく、皮膚のひだを鼻側に移動して、ひだの裏に隠れている本来の目頭が見えるようにします。具体的な切開方法は色々ありますが、当院で行っている方法の一つを紹介します(
図-2
)。
また、目頭は靱帯という硬い組織で鼻の骨に固定されていますが、目と目の距離を極端に狭くしたい方には、この靱帯を縫い縮めて強く引っ張る方法を追加することもあります。
抜糸は術後5〜7日目に行います。手術直後は目頭の形が細くとがったようになって不自然な感じになりますが、2週間ほどで落ち着きます。傷跡は通常ほとんど目立たなくなりますが、希にケロイド状に赤く膨らんで、回復に数ヶ月かかる場合があります。
この手術は、単に目の横幅を広げる目的以外にも、二重の手術をより効果的にするために行うことがあります。例えば末広型の奥二重を平行型の幅広い二重にしたい場合、モーコひだが邪魔をして好みの二重を作りにくいことがあり、このような時に目頭切開を併用すると無理なく目的が達せられます。ただしこれらの併用手術は、顔の印象が予想より大きく変化する可能性があるので、担当医によくご相談下さい。
図ー1
東洋人に多い上まぶたの形
図ー2
デザインは目頭を開いた状態で行う
a.
b.
c.
目の横幅を広げるには、まず目頭切開を選択するのが一般的ですが、目と目の距離が元々狭い場合やすでに目頭切開が行われている場合には、目尻切開を行うこともあります。ただし、目頭切開ほどの効果は期待できない、切り開いた部分のまつげがない、赤い粘膜(結膜)が見えて不自然になることがあるなどの理由により、あまり積極的にはお勧めしていません。しかし、上まぶたと下まぶたがつながる部分(目尻の角)で薄いひだが普通より発達していて、目の幅が狭くなっている場合にはよい適応です。
具体的な切開の方法は色々ありますが、目尻が裂けたような不自然な形になりやすいので、我々はできるだけ自然な外観を損なわないよう工夫を加えています。目尻の部分は靱帯という組織で骨に固定されており、場合によってはこの靱帯の一部を切開するとよいこともあります。
腫れは殆どありませんが、希に眼球の結膜に内出血が広がって回復に2〜3週間かかることがあります。抜糸は術後5〜7日目に行います。
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